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日本での在宅ALS患者さんのための音楽療法

Posted by きーこしょ on 31.2012 その他   0 comments   1 trackback
筋萎縮性側索硬化症[ALS] という病気があります。

思考や知覚などの機能は障害されることなく、脳からの指令が筋肉に届かなくなることで手足の筋肉や呼吸のための筋肉も衰えていく病気です。
(難病情報センターより引用)


うちのお母さんは保健士さんだったので、ALSなどの難病指定を受けた患者さんと多く関わっていました。もちろん患者さんの個人情報には触れないけど、家庭内でALSという言葉を耳にしたり目にする機会がよくありました。

だからなのか、ALSの患者さんのためには、音楽療法が何ができるのかがずっと気になっていました。何回か授業中に質問したこともあったんだけど、この病気の存在自体を先生もほかの生徒も知りませんでした。ホスピスで働いたことのある先生は、唯一この病気について知っていたけど、珍しい病気なので関わったことがないと言っていました。

その先生によると、筋肉だけが衰えていく一方で、思考や知覚は残るがゆえに、患者さんが体のなかに”locked in”(閉じ込められる)されてしまうので、そのanxiety[不安]に対処するのがまず音楽療法ができることだろうと言っていました。



今回、宿題の関係でALSと音楽療法に調べてみる機会を得て、関係する記述をいろんな方面から探してみたけど、音楽療法関係の論文でALSに触れているのは、Australian Journal of Music Therapyの論文2つだけでした。

ひとつは患者さんが持つ不安を減らす目的での生の音楽を使ったセッションと録音された音楽の効果を比較したものですが、統計学的に差異は認めれませんでした。もうひとつの論文は前の論文に対するコメントでした。

Bolger, K., & Home-Thompson, A.(2010). An investigation comparing the effectiveness of a live music therapy session and recorded music in reducing anxiety for patients with amyotrophic lateral sclerosis/motor neurone disease. Australian Journal of Music Therapy, 21, 23-38.

Lings, J. (2010). Music for anxiety in amyotrophic lateral sclerosis/motor neurone disease: A commentary on Horne-Thompson and Bolger's article. Australian Journal of Music Therapy, 21, 39-41.


ALSがとてもまれな病気ということが、認知度が低いことやこうして研究も進まない大きな原因なのかな。



ただ、この調べものをしている間に、おととし横浜で参加した「第7回神経難病における音楽療法」で、たしか音楽療法士さんが呼吸機能維持を目的とした音楽療法について発表してたことと、ALSを持った患者さんご自身が話しをされたんじゃなかったっけ…ということを思い出しました。

その発表資料は残念ながらオンラインでは見つけられなかったんだけど、その資料を探す過程で、なんと日本ではALS患者さんに音楽療法を届けるプロジェクトが行われていたことを知りましたっ 

先の「神経難病における音楽療法を考える会」にも関わっていらっしゃった公立八鹿病院脳神経内科の近藤清彦先生が主導されました。勇美記念財団さんのホームページから、近藤先生によるその報告書「在宅ALS患者に対する訪問音楽療法の普遍化の検討」を閲覧することができます。

(勇美記念財団さんのページには、ほかにも、札幌大谷大学短期大学部教授の中山ヒサ子先生による「在宅ALS患者及び、家族における音楽療法の有効性をさぐる」や、ALS以外の在宅ケアにおける音楽療法に関する報告書が閲覧できます)


その報告書内によると、在宅でケアを受けているALS患者さんを対象に、受容的メソッドを中心に音楽療法が提供されたようで、クライアントさんたちからのアンケートでは、闘病生活の活力を得たり、情動の賦活、ストレス発散、感情抑制の開放、自尊感情の回復、身体運動の誘発など、さまざまに音楽療法の意義があったのではないかとあります(p.23)。また、ALSを持つ患者さん自身に加え、介護にかかわるご家族にとっても精神的ケアになったともあります(p.25)。


この報告書の最後には、このプロジェクト研究をもとに、在宅のALS患者さんのための訪問音楽療法を普遍化するための指針を作成すると結ばれていますが(p.25)、
昨年行われた「第8回神経難病における音楽療法を考える会」において、おそらくこのプロジェクト研究から得た結果をもとに作成したガイドラインを近藤先生が発表されたようなので、その内容がすさまじく気になりますっ



病気の初期段階には身体機能維持のために、病気が進行しても、受容的メソッドを中心に、音楽療法は患者さんと介護者さんの需要に応えることができると思います。
ALSのケアには各国で違いがあるようですが、日本でもほかの国でも、より多くのALS患者さんと介護者さんが、有益な音楽療法を受けられることを願っています。






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筋萎縮性側索硬化症[ALS] という病気があります。思考や知覚などの機能は障害されることなく、脳からの指令が筋肉に届かなくなることで手足の筋肉や呼吸のための筋肉も衰え
2012.05.13 11:18 まとめwoネタ速neo

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きーこしょ

Author:きーこしょ
Marylhurst大学,音楽学部音楽療法学科にて4年間のコースワークを修了。現在、有限会社Earthtones Music Therapy Serviceにて音楽療法インターン中。

将来的に脳科学に根拠をもとめた音楽療法を専門としたいと思って、アメリカの4年制大学に留学し音楽療法を専攻しています。

このブログでは、実習の様子や、授業の内容など、アメリカでの音楽療法士育成の現場を、生徒の目線から、留学生の目線から、お伝えしていきます。

このブログが音楽療法に興味のある方、留学を考えている方などのお役に立てれば光栄です。

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